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中村 博文; 林 巧; 岩井 保則; 西 正孝
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.894 - 898, 2001/03
焼鈍処理を施したタングステン膜中に打ち込まれた重水素の透過挙動を測定し、焼鈍処理を行わないタングステン膜中の重水素透過挙動と比較した。その結果、焼鈍処理により透過が促進されることが確認された。また透過促進の原因は試料の焼鈍により試料内部に存在するトラップサイト密度の減少であることが推測された。透過の過渡挙動の解析により、焼鈍タングステン試料中のみかけの拡散係数が導出された。文献値との比較の結果、焼鈍試料中においてもトラップサイトの影響をうけていることが推測されるが、そのようなトラップ効果も含めたみかけの拡散係数を用いることにより、タングステン中の重水素透過を簡易的に評価できる可能性が示された。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1078 - 1082, 2001/03
現在進行中のITER設計見直し作業の一環として、燃料循環システムの中核である水素同位体分離システム(ISS)の処理流量の減少に基づいた概念設計の再検討を行った。ISSでは供給される三種類(プラズマ排ガス,水処理システムからの排ガス,中性粒子注入システムからの排ガス)のフィードを深冷蒸留法により、燃料用のトリチウム濃縮流、中性粒子注入システム用の重水素濃縮流、軽水素排ガスに分離する。本報ではサイドカット流、平衡器の減数などシステムの簡略化とITERの段階的運転シナリオを考慮した4塔からなる独自の塔構成を提案した。プラズマ排ガスのトリチウム濃度、要求される燃料流中のトリチウム濃度及びその流量が総トリチウムインベントリーに与える影響を考察した。また現状の塔構成では軽水素排ガス中のトリチウム濃度が運転中に変動する可能性を指摘し、塔の構成変更による対策を提案した。
角田 俊也*; 小西 哲之; 河村 繕範; 西 正孝; 鈴木 達志*
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1083 - 1087, 2001/03
核融合炉固体増殖ブランケットでは、スイープガスからの水素同位体の分離が考えられている。われわれは、このシステムにプロトン導電性固体電解質セルを用いた水素ポンプの適用を提案した。このセルは混合ガスから電気的駆動力により水素同位体を選択的に抽出することができる。プランケットシステム条件を考慮し、円盤状のセルの片面極に純水素ガスを、もう片面極に0.01%~10%の水素ガスを接触させ試験を行った。両極の水素濃度差により生じた起電力で静的特性を、直流電圧印加に対する電流密度で水素ポンプ性能を評価した。結果として、水素分圧比100程度まで、起電力は理論値にほぼ一致した。また、水素ポンプの安定作動電圧領域が確認され、水素ポンプ性能の代表的値は873Kで7mA/cm,973Kで9mA/cm(1200mV)であった。結果から、ブランケットトリチウム回収システムへの適用が有効だと判断できる。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 秋本 肇
Fusion Technology, 39(2-Part.2), p.1050 - 1055, 2001/03
本研究は、真空容器内冷却材侵入事象時に核融合炉内で起こる水-蒸気二相流挙動を冷却材侵入事象統合試験装置を使って実験的に調べ、また、TRACコードを使って実験結果を数値的に検証したものである。冷却材侵入事象統合試験装置は核融合実験炉(ITER)の構成要素を約1/1600で縮小簡略モデル化しており、プラズマチャンバー、ダイバータ、真空容器、サプレッションタンク等から構成される。実験では冷却材侵入時の水の相変化挙動を可視的に観察し、プラズマチャンバーからダイバータを通って真空容器に流れ込む水と蒸気の流動挙動を定性的に明らかにした。また、ITERサプレッションシステムが冷却材侵入時の圧力上昇を有効に抑制できることを定量的に確認した。さらに、冷却材侵入時の容器内の圧力上昇、ボイド率等をTRACコードによる数値解析によって高い精度で予測できることを実験結果との比較から明らかにした。
大矢 恭久; 小林 和容; 洲 亘; 林 巧; 大平 茂; 中村 博文; 岩井 保則; 西 正孝; 東島 健*; 小原 建治郎; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1023 - 1027, 2001/03
ITER用遠隔保守機器は作業中トリチウム雰囲気にさらされる。被曝防護の観点からこれらの機器の表面除染を行うことはとても重要である。本研究では、トリチウム除染の程度を調べるために遠隔保守機器で用いられる典型的な材料であるSUS304、アルミニウム合金-CFRP構造材、O-リングと潤滑油についてトリチウム水雰囲気で一か月間放置した際の汚染状況について調べた。その結果、アルマイト処理したアルミニウム合金、ウレタンO-リングがトリチウムを多く吸収・吸蔵することが明らかとなった。またこれらの汚染試料に対して異なる3種類の水分濃度のガスパージを行い、その除染効果についても調べた。さらに紫外線照射による除染効果についても調べた。
松川 誠; 石田 真一; 逆井 章; 栗田 源一; 三浦 友史; 寺門 恒久; 大森 栄和; 大森 俊造; 岡野 潤; 島田 勝弘; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1106 - 1110, 2001/03
JT-60装置において定常化研究をより一層進展させるためには、プラズマ電流駆動時間をいかに長時間化するかが重要である。ところが、現在の電源システムはプラズマ電流駆動時間5秒を基本に設計製作されていることから、長時間化を実現するためには改造する必要がある。本文では、等価矩形波通電時間が約40秒の現トロイダル磁場コイル電源をサイリスタ変換器化して再構成し、新プロイダル磁場コイル電源のベース電圧電源とする改造案を提案する。そして、ほかの交直変換器を短時間のの補助電源として活用すれば、新規製作が必要な変換器がほとんど不要であることを示す。また、運転に必要な交流電源は、プラズマ電流4MAを100秒程度維持し、追加熱を40MW-10秒とするならば加熱用発電機1台で、10MW-100秒とするならばトロイダル用発電器1台で十分な見通しであることを示す。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; Roux, N.*; Ying, A.*; Pizza, J.*; Malang, J.*
Fusion Technology, 39(No.2 Part.2), p.612 - 616, 2001/03
増殖ペブル充填層の有効熱伝導度は固定増殖ブランケットの設計において重要なパラメータである。IEAの国際協力協定のもとで、固体増殖グループのサブタスクとして、熱線法を用いた各国の候補増殖ペブルを実際に用いた有効熱伝導度の測定を行い、タスクを終了した。測定には、CEAのLiTiO,LiZrO、FZKのLiSiO、日本のLiOをサンプルに用い、425から750までの温度依存データと、圧力0.001MPaから0.2MPaまでの圧力依存データを取得した。えられたデータは過去のデータと一致し、幅広い条件ではじめてデータを精度よく明らかにした。また、得られたデータから、推定式の重要パラメータを決定した。これによって未測定の有効熱伝導度を精度よく推定することが可能となった。
谷口 正樹; 中村 和幸; 佐藤 和義; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 秋場 真人
Fusion Technology, 39(No.2 Part.2), p.890 - 893, 2001/03
ディスラプション等における高熱負荷に対するアーマ材料の損耗特性の把握は、機器の寿命を評価するうえで非常に重要である。本研究ではダイバータ用アーマ材の候補として有望な、ランタン酸化物含有タングステン材のディスラプション損耗特性を評価するために、電子ビーム照射装置を用いた熱衝撃試験を行った。熱衝撃後の試料表面を光学顕微鏡、SEMにより観察すると、純タングステンでは非常に滑らかな再凝固領域が見られるのに対し、ランタン含有タングステンでは激しい溶融・蒸発により、溶融層の飛散した痕跡が認められた。また、重量減少から評価した損耗量は、ランタン含有タングステンのほうが純タングステンに対し3倍程度大きいことがわかった。タングステンより融点の低いランタン酸化物成分の突沸が、激しい溶融層の飛散を引き起こし、損耗量の増加にとながっているものと考えられる。
梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1135 - 1139, 2001/03
JT60用負イオンNBIは、これまでに最大で350kV,5.2MWのビーム入射を行ってきたが、さらなるビームパワー増大のためには、大型負イオン源ソースプラズマ非一様性の問題を解決する必要がある。この対策として、フィラメント温度変化によるアーク放電モードの変更、各フィラメント系統に接続しているアーク限流抵抗の調節、さらに一様性の悪い部分をマスクしてビームを引き出す方法などを試みている。これらによる変化をアーク放電電流分布、ラングミュアプローブ、加速電極の熱負荷やビームラインの熱負荷等で評価した。その結果、フィラメント温度を下げることによりアーク放電分布に改善の傾向が見られ、限流抵抗を調節することによって強制的に放電の分布を変えることができた。また、マスキングによりビームの加速特性が向上し、加速部での損失が減少して負イオン電流の割合が増加した。
土谷 邦彦; 河村 弘
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.624 - 627, 2001/03
核融合炉ブランケットで用いられるリチウム含有セラミックス製トリチウム増殖材として、取扱いの容易さ、トリチウム放出特性等の観点からリチウムタイタネイト(LiTiO)微小球が有望視されている。一方、良好なトリチウム放出性確保の観点から、微小球製造時におけるLiTiOの結晶粒径を5m以下に制御することが求められている。そのため、LiTiOにTiOを添加することを考案し、湿式造粒法により試作試験を行った。その結果、5~10%のTiO添加により、焼結後の結晶粒径が5m以下に制御できる見通しを得た。また、5%TiO添加LiTiOの熱伝導率は、無添加LiTiOとほぼ同等であるが、10%TiO添加では元のLiTiOよりも約1割高くなり、熱特性が向上することが明らかになった。これは、10%TiO添加の場合には、熱伝導率が高いLiTiOが生成するためと考えられる。
伊世井 宣明; 佐藤 正泰; 都筑 和泰; 川島 寿人; 三浦 幸俊; 木村 晴行; JFT-2Mグループ
Fusion Technology, 39(Part2), p.1101 - 1105, 2001/03
低放射化フェライト鋼(F82H)は、原型炉における構造材料の有力候補の一つであるが、実際に利用するためには、プラズマに与える影響などが十分に明らかにされなければならない。中型トカマク装置JFT-2Mでは、F82Hを真空容器内部に部分的に設置し、フェライト鋼とプラズマの適合性に関する予備試験を進めている。フェライト鋼は強磁性体であることから、そのプラズマに与える磁気的影響が懸念される。すなわち、フェライト鋼による磁場吸い込み効果や誤差磁場などがプラズマの制御や安定性に影響を及ぼすことが考えられる。フェライト鋼を真空容器の外部及び内部に設置した場合について、ディスラプションの発生領域を比較した結果、内部設置フェライト鋼による悪影響は見られなかった。これら磁気的影響の詳細について、得られた実験結果を報告する。
大原 比呂志; 秋野 昇; 海老沢 昇; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; 栗山 正明; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1140 - 1144, 2001/03
JT-60U用正イオンNBI装置(P-NBI)は1986年の運転開始から約14年間、高パワー中性粒子を入射しJT-60Uプラズマ高性能化実験に大きく貢献してきた。1987年には、水素ビームにおける定格中性子ビームピワー20MWの入射に成功した。その後、イオン源について引出電流を増大するための改善を行い、定格値より約30%高い27MWの入射パワーが得られた。1991年にはJT-60への入射を120keVの重水素ビーム入射ができるように改造し、1994年には95keV-40MWの重水素によるビームパワーが得られた。また、D-Heにおける核融合反応及びヘリウム灰排気能力検証実験のためにHe,Heビームの入射を可能とする改造を行った。4基のビームラインを用いたHeビームでは、80keV-4.8MW,3基のビームラインを用いた。Heビームでは60keV-2.8MWのビームパワーが得られた。2000年には、老朽化対策の一貫としてNBI計算機システムをミニコンピュータからワークステーションに改造し、操作性及び保守性の向上を図った。この改造ではデータ収集システムをCAMACシステムからVMEバスシステムに変更し、ワークステーションに一部の機能を持たせることにより、ワークステーションの負荷を軽減させた。計算機システムの改造後、NBI入射実験での信頼性は大いに増大した。本会議では、ビームパワーの増大を目指したイオン源及び電源装置の進展と計算機システムの改造について詳細に報告する。
関 昌弘; 辻 博史; 小原 祥裕; 秋場 真人; 奥村 義和; 今井 剛; 西 正孝; 小泉 興一; 竹内 浩
Fusion Technology, 39(2-Part.2), p.367 - 373, 2001/03
原研における核融合炉工学R&Dの現状を概観した。遮蔽ブランケット開発については、第1壁の製作に必要な高温加圧接合技術の開発を進めた。表面荒さが10ミクロン程度の機械仕上げ面の接合においても接合圧力を200MPaとすることで十分な強度が得られることがわかった。超伝導磁石の開発については、中心ソレノイドモデルコイルの試験が完了した。直流性能では、46kAの励磁電流で磁場強さ13T、蓄積エネルギー640MJを達成した。パルス性能としては、13Tまで1.2T/sの速度で励磁、13Tからの1.5T/sで減磁することに成功し、モデルコイル研究開発の目標を達成した。加熱電流駆動技術に関しては、NBI開発において水素負イオン電流を20mA/cmというITER条件の電流密度で連続的に引き出すことができた。ECH用ジャイロトロン開発においては、短パルスではあるが不要発振の抑制に成功した。トリチウム安全の研究においては、12mのケーソンにおけるトリチウムの拡散移行挙動に関する実験を行うとともに、シミュレーションコードの開発を進めた。核融合中性子工学に関しては、遮蔽性能や崩壊熱に関する研究を行い、ITER設計の妥当性を確認した。